サラリーマンの社会保険料は4~6月の給与額で決まる!保険料を安くする方法は?

社会保険

お給料から毎月引かれる健康保険料&厚生年金保険料。結構高いですよね…。

なんとか安くならないのか…!ってところですが、結論から言うと、いわゆる普通のサラリーマンは保険料を意図的に下げるのは難しいです。

なぜかというと、社会保険料は給与の額で決まるからです。

そもそもサラリーマンが
「今月はお金が必要だから給料増やそう」とか
「保険料を抑えたいから手取りを減らしておこう」とかできないですよね。

その調整が可能だとすれば残業代くらいですが、サラリーマンが自分の都合で残業時間を調整することができるでしょうか…もしできるのだとしたらダメな会社、ダメな社員な気が…

意図して給料を増やしたり減らしたりすることができなければ、保険料も自分の意志で安くするのは難しいのです。

そうは言っても、保険料が決まる仕組みを知っておくことで場合によっては対策できることもあるかも…ということで今回はその仕組みを解説していきます。

保険料はこうして決まる

サラリーマンの場合、社会保険の保険料は収入で決まります。

収入額を計算しやすいように単位で区切ったものを「標準報酬月額」と言い、健康保険では50段階、厚生年金では31段階に等級が分かれています。

保険料は収入額が標準報酬月額のどの等級に当てはまるかによって計算されますが、給与には保険料計算に含む報酬と含まなくてよい報酬があるので、標準報酬月額は会社から支給される給与とは完全には一致しないことに注意しましょう。

健康保険は都道府県や健康保険組合によって料率が異なります。
中小企業の多くが加入している全国健康保険協会(協会けんぽ)のサイトでは毎年保険料額表が公開されるので気になる方は確認してみてください。令和2年は新潟県が9.58%と一番低く、一番高いのは佐賀県の10.73%。1%以上の差がありますね。
保険料は会社と折半なので本人負担はこの半分。小数点以下の端数は会社が負担します。標準報酬月額20万円の新潟県在住サラリーマンなら20万円×9.58%÷2=9,580円が1ヶ月あたりの健康保険料の自己負担額=給与天引き額です。
大企業の組合健保の方は健保のHPなどで保険料率が公表されていると思いますが、一般的には協会けんぽより保険料率は低めに設定されています。
厚生年金保険はの保険料率は全国一律です。
標準報酬月額に18.3%の料率を乗じた金額が社員1人の保険料となり、その額を会社と本人で折半します。標準報酬月額が20万円なら20万円×18.3%÷2=18,300円が厚生年金保険料の月額です。厚生年金はやっぱり高いですね…。

ちなみに賞与(ボーナス)でも社会保険料は徴収されます。

標準報酬月額にあたる「標準賞与額」は支給される賞与額の1,000円未満の端数を切り捨てた額となり、標準賞与額に健康保険、厚生年金それぞれの保険料率を乗じます。

ボーナスは1ヶ月の給与より額が大きいですから、天引きされる保険料も比例して大きくなります。初ボーナスを期待している新入社員の皆さんは天引き額を見てガッカリしすぎないように覚悟はしておきましょう。

標準報酬月額が決まる=保険料が決まる時期

社会保険料を決定するための標準報酬月額が決まる時期は以下の5通りあります。

(1) 就職したときの資格取得時決定
(2) 毎年7月1日の定時決定
(3) 報酬に大きな変動があったときの随時改定
(4) 産前産後休業終了時改定
(5) 育児休業等終了時改定

それぞれの決定・改定について見ていきましょう。

(1) 就職したときの資格取得時決定

新卒で入社または転職により就職したときの給与等により決まります。

基本給与に加え、就職したときの条件によりあらかじめ毎月の支給額が決まっている手当(通勤手当・扶養手当・資格手当・住宅手当など)があればそれらも含めて標準報酬月額とします。

就職した段階では残業実績はありませんから、残業代は含まれません。

<例>
基本給 … 190,000円
通勤手当 … 6,000円
入社月から毎月上記の額は特段の変更事項がない限り固定支給である場合、合計196,000円が社会保険料を算出するための収入となり、標準報酬月額は保険料額表に従って「200,000円」となります。

(2) 毎年7月1日定時決定

毎年4月、5月、6月の3ヶ月の給料をもとに7月1日現在で標準報酬月が決め直され、9月から翌年8月まで(給与天引きでは10月から翌年9月まで)の1年間使われます。

4月~6月の給料で社会保険料が決まる!と言われるのはこの定時決定のことなんですね。

資格取得時決定以外では変動的な手当、例えば残業代も含めて標準報酬月額が決まります。

残業代は前月働いた分が翌月に支払われる会社も多いと思いますが、標準報酬はいつの働きに対する給与か、ではなく単純に4~6月に受け取る金額で決まるので、3月分の残業代が4月に支払われれば定時決定に含まれます。

年度終わり~年度始まりは繁忙期で残業代が高くなってしまう部署も多いですよね。
その後ほとんど残業しなくなったとしても、1年間は高い保険料になってしまうのでは割に合わない気がします。

その場合、救済措置として以下の申し立てができるようになっています。

前年1年間(前年7月~当年6月)の月平均報酬額と、当年4月~6月の平均を比較し2等級以上の差があり、この差が業務の性質上、毎年生じる場合は申し出によって月平均報酬額をによって算定する。

但し、業務の性質上、毎年生じる見込みがあることが前提なので、今年はたまたま納期が重なって年度末~年度始めの残業が増えた…という場合には対象になりませんので注意しましょう。

この時期の給与で保険料が決まるから、いつもより頑張って残業減らすぞ!…くらいは意識できるかもしれませんが、等級が変わるくらいの額となるとかなりの効率アップを図ることになります。それができるなら日頃から残業減らせるでしょうし。

それよりも他の手当て、例えば生活環境・家族環境が変わって支給されるような住宅手当や扶養手当をちょっと気にしてみると良いかもしれません。

私が前職で人事部にいた頃も、こうした手当は年度始めに支給状況が変わることが多かったです。

これらは社員本人の申し出によって変わる手当ですが、たまに申請するのを忘れていて過去の分も遡って処理をする→翌月にまとめて支給または控除なんてこともありました。

例えば、奥さんが4月に就職して扶養から外れる→手当がなくなるという申請をすっかり忘れていて、数か月後に過払いの手当てをまとめて控除する場合、きちんと申請していれば4月から扶養手当がない給与で随時改定(次の項目で説明)か定時改定されたのに、申請遅れにより本来の等級より高い標準報酬月額で定時決定されてしまうことがあります。

遅れて処理されたタイミングで随時改定の対象候補にはなりますが、そこで2等級以上の差が生じていなければ保険料が下がることはありません。

身の回りに状況変化があった場合に滞りなく会社に届け出ることが原則ですが、特に4~6月中に手当が減る場合は手続きが遅れないようきちんと会社に申請しましょう。

尚、定時決定は7月1日時点で社会保険に加入している全社員が対象となりますが、6月1日以降に入社した人や7月以降の随時改定に該当する人は対象になりません。

(3) 報酬に大きな変動があったときの随時改定

固定支給となる基本給与の昇給や降給があって、標準報酬月額のランクが2等級以上変わった時には随時改定の対象となります。

昇給や降給の金額が大きく変わった場合は当然ですが、数百円であっても対象となることがあります。

<例>
9月の改定給与
基本給の昇給はなし
ガソリン代の値上がりにより通勤手当が300円UP

300円だけの昇給でも、9,10,11月の給与平均(残業手当含む)が従来の標準報酬月額と比較して2等級以上アップしていた場合は随時改定されます。
逆に、昇給があっても3ヶ月の平均給与に2等級以上の変化がなければ対象となりません。

年度の途中であっても条件に当てはまれば随時改定はその都度行われます。

(4) 産前産後休業終了時改定

産前産後休業を終了して職場復帰した社員が、短時間勤務等の選択により収入が下がり1等級以上の差があった場合は、本人からの申し出により標準報酬の決め直しができます。

ただし、産前産後休業に続いて育児休業を取得する場合には産前産後休業終了時改定はされません。

(5) 育児休業等終了時改定

育児休業等を終了して職場復帰した社員が3歳未満の子を養育している場合で、短時間勤務等の選択により収入が下がり1等級以上の差が生じた場合には、本人からの申し出により標準報酬が決め直されます。

産前産後休業とは違い育児休業は男性も取得できますから、男性社員であっても条件に該当すれば改定の対象となります。

まとめ

サラリーマンの社会保険料は収入額で決まります。そして保険料を安くしたいのであれば収入額を抑えるしかありません。

多くの方は定時決定により4~6月の給与から1年間の保険料が決まりますが、その3ヶ月間だけ給料を安くすることは現実的には難しいと思います。

収入を確保したうえで保険料をできるだけ安くしたいのであれば、効率よく仕事をして定時で帰宅し、空いた時間の副業で副収入を得る、これを続けられるのが一番かもしれませんね。

 

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